グローブライド インタビューその5:異業種交流から感じた、 他社との差と腹落ちしたこととは?
グローブライド株式会社 フィッシング生産本部 ロッド製造部 副部長 大津 武則様に、「生産革新プロフェッショナルコース」の受講背景や、受講後の感想についてお伺いしました
※2021年10月開講受講、IE士
※所属・役職は2022年1月26日当時のもの、以下敬称略
異業種交流から感じた、 他社との差と腹落ちしたこととは?
吉田
他にも研修全体を通して、何か印象に残っていることはありますか。
大津
こうした外部研修を受けること自体がとても刺激になりました。自分の不満や不安を多少補完してくれる機会にもなるので、研修内容以外の面でも、非常に有意義でした。
特に弊社の場合、関係した市場に特化した人たちだけで仕事が回っているような側面もあり、世間知らずになりがちです。自分の経験したような異業種交流を、他の社員にも経験してほしいと思っています。
吉田
世間知らずとは?
大津
弊社は他社と比べても、かなりの多品種少量生産なんですね。自戒の念も込めて、そうした事実を知らずに、頭ごなしに「この増産時代に、なぜ他社にできて、うちではできないんだ」と生産性の悪さを指摘し、力業で通ってしまうところが多いんです。重ねて自戒の念も込めて、感情論ではなく説得する力はつけていかなければならないなという思いは受講前から持っていました。
吉田
今回の研修を通して、その悩みは幾分か解消されましたか?
大津
思っていた以上に「自分が今置かれた立場でできることをやっていくしかない」という割り切りがつきました。世の中、DX、技術革新などと言われていますが「そんなに簡単にできている会社なんて多くないんだな」と。今の環境の中で、まずはできることをやっていくしかないと腹落ちしました。
いきなりサプライチェーン全体で繋げるといった大きなことではなく、「自社と関連会社」「構内物流」など身近なところから確実に繋げていくしかないと思いましたね。
そのためにも、まずは、筋が通る中期計画を作り、段階を追って年度の方針に落としていくことを地道にやっていこうと思っています。
吉田
ものづくりに対する考え方の軸ができた、というイメージですか?
大津
そうですね。これまで設計からの要求に対して現場が応えてきたことを、「今までできていたから」で片づけてはいけないと思っています。
それが本当に「できていた」のかをしっかり検証し、事象を捉え、実験やデータで示し、理論立ててものづくりの道筋を整えていくことが大切です。
改善を正しい方向で進めていけるよう、根拠を明らかにし、時には従来の方法をひっくり返すことも必要です。
結局苦しむのは現場ですから。
その時、感情にコントロールされることなく理路整然と所以を示していくことが大事ですね。こうして現場と設計のモチベーションを保つよう努めています。
吉田
研修を通して全体を俯瞰できる知見を得たことが、生産性向上を牽引されるお立場で役立っているのですね。
大津
入社した頃はQC活動が盛んでしたが、その後、経営面の厳しさからQC大会のような全社レベルの大きな取り組みが無くなってしまったんです。そんな背景もあって、今の若い人たちは、製造業にも関わらずQC活動を知らずにきてしまっている面があります。
「データで示す」こと「系統だったステップで改善活動を進める」ことが実践できないまま、生産活動に従事しなくてはならない状況にありました。
こうした中で、IEの重要性をきちんと教えながら、日々の改善活動の中に取り入れていく。この点は、今までよりも自信を持ってできるようになったと思います。
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