大和グラビヤ インタビュー4:即実践!講習内容を活かし、理想的な組織・業務改革に挑戦!
大和グラビヤ株式会社 南アルプス工場 工場長 小島 貴樹 様に、
「生産革新プロフェッショナルコース」受講の背景やご活用についてお伺いしました。
(※以降敬称略、所属・役職は2023年1月17日時点)
即実践!講習内容を活かし、理想的な組織・業務改革に挑戦!
国部:
当コースでの学びは実際の現場で活かされましたか?
小島:
「生産技術の再立ち上げ」「購買分野の充実」の2つの内容を特に実践したいと思いました。
国部:
現在は、専門部署としての生産技術はなく、各現場がその機能を兼任しているのですか?
小島:
その通りです。弊社でもう一度、工程を横断した生産技術の役割を担う部署もしくはその機能を持った仕組みを立ち上げたいという思いがあります。
先に申し上げた自工程完結の動きの際、生産技術の分野を各部署で担うこととなり、生産技術が解散した経緯があります。もう一度、全社横断的な組織として全体を見ることができる改善機能・役割を設けたいと思っていました。
国部:
その思いの実現に向けて、研修のどのような点が役立ちましたか?
小島:
各講師から多くの気づきを得ました。特に生産技術の意義や役割をご教示いただき、再立ち上げのためには、その役割や必要性、目標を明確にした上での提言が不可欠であると学びました。
国部:
生産技術の機能を現場が兼任することの課題はどこにあると感じていましたか?
小島:
新規材料を使用したものや、新規仕様製品などの初期稼働の不良の多さや製品品質の不安定さです。これは試作段階での品質のつくり込みの甘さが起因しております。試作時の加工がそのまま量産時に加工できるだろうと思っても、実際に加工してみると前述の問題が発生していたのです。
これは現場担当者が行うには普段の実務と兼用するには業務負担もあり、且つ他部署への見識も少ないなどがあります。
開発提案型の企業として、製品開発、製品設計、工程設計、調達のエンジニアリングチェーンをさらに充実させる必要があると感じていました。
国部:
すぐに活用できそうな学びはありましたか。
小島:
第2単位で学んだコンカレントエンジニアリングと初期流動管理の二つをすぐに実践したいと思いました。
国部:
既に具体的な活動は実施されているのですか?
小島:
今もテスト品が毎週のように入ってくるため、試作上の加工不具合や条件の情報を記録し、生産側から開発部門に提供することで次の製品につなげる活動を行うようにしました。
国部:
行動の早さに感じ入るばかりです。購買分野の充実についても教えていただけますか?
小島:
弊社は手配購買に収まってしまっている傾向があり、原材料の調達競争力が不十分なことが課題でした。調達に関する講義を受けた瞬間から変えたいと思いました。
国部:
日頃から課題意識を持っておられるからこその感度の鋭さだと存じます。
小島:
購買担当者自身も次のステップへチャレンジしたいと考えていたため、今回の講義内容を共有し、まずは競争購買の概念を伝え、サプライヤーとの協議に向け準備を進めています。
国部:
こちらも早速、講習内容を現場と共有されたのですね。
小島:
第3単位の講義の中で、購買の役割は自社の利益を高める活動と同時にサプライヤーとも利益をシェアできるようにする、というアプローチは非常に印象的でした。その意識が必要である意図や目的を購買担当者に伝え、サプライヤーとより良好な関係を構築しつつ自社の利益を向上させる競争購買の考え方、さらにその先の査定購買の考え方も共有し動き始めています。
国部:
購買は部門横断的な組織なのですか?
小島:
そうですね、どちらかと言えば製造・販売の両方に関わることが多い購買だと思います。この度南アルプス工場に赴任して、購買担当者が物理的に近くになりましたので、部門は違ってもかなり密に意思疎通が図れる環境になりました。そこへ今回の講習内容を伝えたところ、担当者自身から「次のステップに進むために是非取り組んでいきたい」という心強い言葉がありました。そして今、その志を持って動いてくれています。
国部:
部門間の壁は日常のコミュニケーションで乗り越え連携できるという好事例をありがとうございます。
小島:
加えて、購買担当者にもサプライチェーン・マネジメントの導入部分の意味合いを説明しました。今年度は原材料不足で特に資材の調達に苦労しました。材料をいかに先行手配するか、そのためには予想受注も必要です。営業と連携し、お客様の発注前に原資の調達が行えるようにした事例も出てきました。
〜 4/5 page 〜