大和グラビヤ インタビュー1:進化し続ける大和グラビヤのものづくりの理念:顧客やメーカーと共創する付加価値とESGへの取り組みとは?
大和グラビヤ株式会社 南アルプス工場 工場長 小島 貴樹 様に、
「生産革新プロフェッショナルコース」受講の背景やご活用についてお伺いしました。
(※以降敬称略、所属・役職は2023年1月17日時点)
進化し続ける大和グラビヤのものづくりの理念:顧客やメーカーと共創する付加価値とESGへの取り組みとは?
国部:
それではよろしくお願いします。まずは、大和グラビヤさんの事業内容について教えてください。
小島:
当社は、1957年に創業し今年67期目を迎えています。半世紀以上続く企業ではありますが、社訓として掲げていました(現在はミッションに置き換え、詳しくは後述)「存在価値ある組織を目指す」べく、改善とチャレンジを続けてきた会社です。
主に食品などのプラスチックフィルムを使用した包装資材の企画製造販売を行っています。
国部:
御社の強みはどのあたりにあるとお考えですか?
小島:
包装パッケージの企画開発はもとより、デザイン、印刷から包材の完成に至るまでの一貫生産体制を強みとしてきました。食品包材業界は、競争相手が市場に多く競争が激化しているレッドオーシャンの分野だと言われています。新市場の開拓や新たな付加価値提供によるブルーオーシャン化を目指し、ここ10年は自社の強みを活かし非食品包装資材にも事業領域を広げています。
国部:
是非、具体的な取り組みも教えてください。
小島:
一例としましては非常に細かな印刷の再現技術により、美粧性のある包装パッケージの提供が挙げられます。エンドユーザーにとって印刷は商品の「第一印象」としてまず目に映ります。美粧性、美麗性がいかに消費者の心を掴むかが肝となるのです。
国部:
長年築き上げた独自の技術力で多様な価値を提供しているのですね。
小島:
弊社のお客様は消費者のひとつ手前の方々になります。先ほど挙げました通り、お客様の製品が消費者の皆様の心をつかめるようなパッケージを印刷するために、顧客と打ち合わせを重ね、時にはお客様が印刷に立ち会い、出来上がりを確認した上でラインに乗せることもあります。
国部:
我々の手元に商品が届く過程には多くの企業努力があると再認識しました。
小島:
更に2年前に会社の方針である、社是・社訓をさらにバージョンアップさせ、MVV(MISSION、VISION、VALUE)として定め、会社の新たな取り組みや使命、あるべき姿を掲げ事業を展開しています。
国部:
企業として、たゆまず進化し続ける御社の姿勢を感じます。
小島:
先ほど強みとして挙げました企画から製造販売にわたる一貫生産も、現状では既に強みとして捉えてはおらず、新たな「MISSION:“それってイイよね”で共創する」に示すとおり、色々な方々と一緒に考え、創り出すことにより、より早く多様な内容でお客様に貢献できる活動にシフトチェンジしています。そのためには自社製造にこだわることなく、考えを尽くし、外部の協力も得ながら様々な方向を見据え活動しています。
国部:
昨今は環境に配慮した商品づくりも求められますよね。
小島:
そうですね。プラスチックフィルム以外の素材にも焦点を当て、お客様の環境に対して取り組みたい内容を反映させつつ幅広い方々にお力添えいただきながら、世に新しい付加価値の高いパッケージ開発を進めています。大和グラビヤの技術と取り組みを評価いただき、数十種類もあるシリーズ品のプラスチック製パッケージを全て紙を主体としたパッケージに変更いただいた事例もあります。
吉田:
SDGsへの取り組みをもう少し教えていただけますか?
小島:
弊社ではESG(環境・社会・ガバナンス)チームを編成し、社会課題の解決に努めています。環境負荷低減に貢献するパッケージの情報を収集しお客様に提案・販売するなど、従来から取り組んできた活動をさらに強化し進めています。
地球に優しいパッケージの企画提案だけでなく、使用後のプラスチックフィルムのリサイクルする方法までもお客様と共に考えるなど、新たな仕組みづくりに尽力しています。
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