タニタ秋田 インタビュー5:IE士としての新たなスタート、目指すことは?
株式会社タニタ秋田 生産技術課 リーダー 渡邊 雄太 様に、
「生産革新プロフェッショナルコース」受講の背景やご活用についてお伺いしました。
※2022年10月開講受講、IE士
※所属・役職は2023年1月11日当時のもの、以下敬称略
IE士としての新たなスタート、目指すことは?
渡邊:
受講前は、ラインバランスや瞬間観測に特化して講習が進むイメージを持っていました。
しかし実際は、狭義のSCM(サプライチェーンマネジメント)ではなく広義のSCMを学ぶ場となっており、今まで自身があまり携わってこなかった物流や生産管理、購買、品質管理の分野での考え方や視点が学習できたのは知見を広げる非常に良い機会となりました。
吉田:
現場主体のお仕事の中では、他部署の業務を知る機会も限られますよね。
渡邊:
生産管理や購買のメンバーともプロジェクトを通じて共に現状分析を行っていますが、互いの活動内容は全く見えていませんでした。
しかし、今回の研修を通して「サプライチェーンを俯瞰し、何を意識して改革に臨むべきか」ということを多く学ぶことができました。
講師に「プロジェクトでつまずいた際には誰が舵を取るべきか」と質問しましたが、それはまさに「私」なんだというということに気づき、案件の進め方などは非常に参考になりました。
吉田:
自己学習は上手くいきましたか?
渡邊:
ビデオ学習は2~3日に1回、1単位ずつ視聴する形式で進めましたが、凝縮された内容で要点がまとめられており、短い期間の中、リモートでもしっかり論点が頭に入ってくる構成でした。
吉田:
実際の業務において、講義内容が活かされたエピソードなどがあったら是非教えてください。
渡邊:
従来、弊社ではストップウォッチを使ってワークサンプリングを行い、その結果を基に標準時間を決めていました。
しかし今回学んだPTS(Predetermined Time Standard system)法を活用すべく、最新の作業分析ソフトを購入し、取り組みを進めています。
このソフトを通じた測定結果をPTS法と併せることで標準も正確になり、工数測定の時間も劇的に短縮できると期待しています。
吉田:
今まで当たり前だった社内の手段が、当たり前ではなかったと気づく機会を得られたのですね。
渡邊:
はい、他の受講生とのディスカッションで気づきました。
PTS法のメリットとデメリット双方を学びましたが、そのデメリットである個々の分析にかかる時間もこのソフトと組み合わせることで補えるため、最高のパフォーマンスが得られると自信をもっています。
吉田:
「ガラパゴス化せず、視野を広げ、視座を高める」まさにIE士にとって必要な部分ですね。
渡邊さんは、これから海外工場の人材育成も担われていくのですよね?
渡邊:
はい。中国工場の作業者に標準を意識づけすべく、実際の作業者の動作を録画し、目標値として提示したいと考えています。今回学んだPTS法などを取り入れながら社員の意識を高めていきたいと思っています。
吉田:
実際の動画や数値で示せれば、言葉の壁も乗り越えられそうですね。
渡邊:
そうですね。「これが標準だ」という数字を見せることができれば、意識も変わってくれると思います。研修の講義や、グローバルで活躍されている他の受講生の方とのディスカッションを通じて得た事が、十分に活かせると思います。
吉田:
今回の資格取得を通じて、社内でのご自身の評価への変化はありましたか?
渡邊:
研修修了時にあった「合格がゴールではなくスタートだ」という言葉を社内でも言われました。
弊社の食堂には様々な資格を取得した社員の名前が掲示されているのですが、その一番良い場所に私の名前を掲げてもらっています。
吉田:
大変光栄なお話です。最後に、どのような方にこの研修を受けてほしいと思いますか?
渡邊:
若い方、特にこれからの中核人材となる方は受講すべきと思います。更に、生産技術や生産管理の基本的な知識が身につけて臨めば、受講の効果はより高まると思います。
今後「自分たちのものづくりをIEでいかに革新していくか?」というビジョンを持ち次世代に伝承する意欲のある方、マネジメントとしての立場で将来の理想の工場を思い描ける高い視座に立った方、年齢を問わず自らの知識をより高めたい方、知見を深めたいというモチベーションをお持ちの方は是非検討していただきたいと思います。
また、その際は、会社から派遣される受け身の姿勢ではなく、「せっかくの機会だから存分に楽しもう、学ぼう」という姿勢が大事ですね。
吉田:
本日は、ありがとうございました。
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