京セラ インタビュー1:横串部門でIEを活用!リアルな声から知る「アメーバ経営」の真価と経営参画意識!!

京セラ株式会社 エンジニアリング部 課長 中野 公達様に、
「生産革新プロフェッショナルコース」受講の背景やご活用についてお伺いしました。

(※以降敬称略、所属・役職は2023年1月12日時点)

横串部門でIEを活用!リアルな声から知る「アメーバ経営」の真価と経営参画意識!!

国部:
それではよろしくお願いします。まずは、御社の事業内容について教えてください。

中野:
弊社は、セラミック材料をベースとした部品事業を中心に、携帯電話やプリンターなどの機器関係も含め幅広い分野に携わり、事業を多角的に展開しています。

国部:
幅広い製品領域と多岐にわたる職域の中で、中野様はどのような役割・お立場になるのでしょうか?

中野:
私が所属しているエンジニアリング部では会社全体を統括する生産技術を担っており、現在、私はセラミック材料のパッケージ部品を製造するメイン工場である鹿児島の川内(せんだい)工場で、IE技術の専門部隊として様々な事業部の生産性改善を横断的に行っています。

吉田:
会社全体の生産性向上を統括するIE部隊を専属で組織する御社の意図はどこにあるとお考えですか?

中野:
ご存知のとおり、弊社グループでは「アメーバ経営」と呼ばれる独自の経営管理方法を採用していますが、アメーバ経営の採算システムはどうしても独自性に軸足が置かれがちです。
技術をアメーバの中で抱え込んでしまうことにもなりかねません。私たちの部隊はそこに横串を通せることができ、改善の成功事例の横展開が図れます。そこに我々の存在価値があるのだと思います。

国部:
もう少し詳しく教えてください。

中野:
例えば、ある事業部で月に1億円の採算性向上が図れたとします。我々の部署がその改善内容を他事業部に共有します。
もし、この改善が5事業部に広がれば、5億円の改善となります。私が所属する部の目的は個別に改善策を講じることではなく、横展開を図り、大きな改善に結び付ける動きにあります。

国部:
なるほど、そのような規模の大きな業務を、どのくらいのメンバーで運営されているのでしょうか?

中野:
工場全体では数千名に対し、我々の部署としては数十名程度です。私はその課の責任者を担っています。

吉田:
比較的少数で行われていらっしゃるのですね。中野さんは、ご自身はどのような組織風土だと感じますか?

中野:
そうですね…、仕事に取り組む姿勢が真面目な人が多いように思います。

吉田:
言い換えると、自分たちの仕事と製品に誇りを持って信頼ある商品を届けたいという思いのあらわれであると感じます。

中野:
おっしゃる通りですね。ただ、「アメーバ経営」がもたらす従業員の経営参加意識の高さゆえかもしれませんが、費用換算に関して非常にシビアな一面もあります。

吉田:
是非、具体的なエピソードを教えてください。

中野:
私が他事業部の生産性改善に出向いた際、各自で管理する採算表に基づき、私が費やした時間の相当分を当該事業部からもらい受けます。
出張費に関しても同様です。支払う部門にはその出張の必要性を考える意識が定着しています。コスト意識が強く、誰もが同じ思考で会話できます。公明正大でガラス張りのシステムが構築されています。

吉田:
お金と時間への意識は非常に大切ですよね。新入社員から京セラさんで働く方々はその点に関してかなり鍛えられますね。

中野:
そうですね、新卒で入社したメンバーにとってはこれが普通ですが、中途入社の仲間からは「こんなにシビアなのか」とよく驚かれます。一方、自身の仕事の生産性を高めなくてはという意識づけにもなっているようです。

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