タニタ秋田 インタビュー1:「“はかる”を通して世界のお客様に最高の満足をお届けする」タニタ秋田の強み・製品の魅力と、それを存分に活かした地域貢献とは?

株式会社タニタ秋田 生産技術課 リーダー 渡邊 雄太 様に、
「生産革新プロフェッショナルコース」受講の背景やご活用についてお伺いしました。

※2022年10月開講受講、IE士
※所属・役職は2023年1月11日当時のもの、以下敬称略

「“はかる”を通して世界のお客様に最高の満足をお届けする」タニタ秋田の強み・製品の魅力と、それを存分に活かした地域貢献とは?

吉田:
タニタ秋田さんについてご紹介をお願いします。

渡邊:
弊社はタニタグループで国内では唯一の生産工場です。主力商品である体組成計をはじめ、昨今は新型コロナウイルスの影響もあり体温計、
また法律改定によりアルコールチェッカー等の計測器の需要も増加しています。
現在、秋田工場は社員と派遣社員を合わせて数百名の規模で活動をしています。

吉田:
ありがとうございます。次に渡邊さんの現在のお立場と役割について教えてください。

渡邊:
私は生産技術のリーダーとして、新商品の立ち上がり時に工数を測定し標準時間を決めたり、製造過程やレイアウトなどの工程設計からラインバランス設計を行ったりしています。

製造過程でのムダを発見し、原価割れによる赤字を回避するための自動化促進が主な業務です。
最近はIoTやAI技術を駆使した電子媒体化や設備管理を推進しています。

例えば、作業者全員にタブレットを配布し日報を入力してもらうことで、管理者とデータ共有をスムーズに行ったり、IoT技術によって設備のチョコ停時間を把握したりするなど、生産性向上と業務の効率化を日々進めています。

吉田:
最新技術も取り入れながら、業務を推進されているのですね。

渡邊:
弊社では従来、製造技術と生産技術はそれぞれ独立した部署であり、製造技術は現場の最適化、すなわち改善を担い、生産技術は先進技術の導入を図っていました。

昨年、この二つの部署を統合させ、より包括的かつダイナミックな展開を目指しています。

吉田:
ありがとうございます。
日々、タニタ秋田さんのものづくりを強くするために活動されていらっしゃるかと思いますが、
貴社が“ものづくり”で大切にしていること、例えば信念や強みについて教えていただけますか?

渡邊:
私たちは、「はかる」を通して世界のお客様に最高の満足をお届けすることを意識して、ものづくりをしています。
体重計は目で見て自分の重さを知ることができます。

「その上での最高の満足とは何か?」を考えたとき、それは正確さや、必要な時にすぐ手に入る供給力・デリバリーにあると考えています。

吉田:
正確性と供給力ですね。

渡邊:
弊社は、基本的に部品加工から塗装・加色、印刷、検査、組立、そして出荷までを一気通貫して自社で担っているため、たとえ大型製品であっても受注から最短約4日でお客様にお届けすることができます。

内製化によるリードタイムの短さが弊社の強みのひとつだと思います。

吉田:
QCDで強みがあるというお話を伺いました。先ほど、正確さについても触れていましたが、この部分をもう少し教えていただけますか?

渡邊:
弊社では従来からJISに定められた技術適合基準を上回るレベルで商品を製造し、厳重な検査を経て出荷をしております。
製品の計りの精度、正確さには絶対の自信をもっております。
また品質管理マネジメントシステムの国際標準規格ISO9001を取得し、品質管理体制の強化に取り組んでおります。

吉田:
ありがとうございます。
人の健康を維持・促進するための機能的価値を重視して、消費者に信頼されるものづくりをされているということを伺い、私は、恐らく「自社製品への誇り」「自社のものづくりの先にはお客様がいる」という視点にたったものづくりへの思いを感じましたが、いかがでしょうか?

渡邊:
おっしゃる通り、お客様を意識したものづくりは大切にしていますね。
当社の製品に健康診断で使用するような身長も計れる大型の体組成計があります。

高齢化が進む中、お客様から「ご高齢の方が真っ直ぐ立っていられない」というお声をいただきました。そこで、体組成計に手すりをつけた商品を開発した最近の事例もあります。

吉田:
他にも好事例がありましたら是非教えてください。

渡邊:
弊社の商品に、社員証と一体型の活動量計があります。
管理した歩数はスマートフォンへのデータ送信も可能で、手軽に数値が確認できます。

こうした健康プログラムを普及すべく、弊社が位置する秋田県大仙市役所に活動量計を寄付し、約8万人の市民の皆様への配付を進めていただいております。

吉田:
素晴らしい地域貢献ですね。

渡邊:
この活動量計の利用者には、歩いた歩数に応じて大手通販や流通会社で利用できるポイントが付与されるので、健康促進にプラスしてお買い物もできると市民の皆様に広くご活用いただいています。

この活動を「秋田県全体に、そして将来的には全国、世界へ広げていきたい」、ということが私たちの目標にもなっています。

吉田:
非常に規模が大きく、地域社会に貢献した画期的な取り組みを伺い、タニタ秋田さんが社会や地元で愛される理由がよくわかりました。

渡邊:
この歩数計の量産にあたり、歩数カウントの精度を画像で測る検査機器も自社製造しました。
これも、タニタ秋田の技術力だと思います。

「タニタが作った製品・アプリであれば安心」
「高精度のデータが収集できる」
「健康促進活動で、ポイントも貰え、一石二鳥なお得感もある」

という、弊社の技術とお客様サービスを合わせた製品でもあり、ものづくり企業としてのブランド力や知名度を向上に繋がれば、と思っています。

吉田:
非常に高い技術をお持ちであることを活かして、お客様に価値を提供されていらっしゃるのですね。

渡邊:
弊社では、自社の製品や価値を知っていただく意味でも工場見学の受入れも積極的に取り組んでおり、地域の学校や高齢者の方にも定期的に公開しています。

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