京セラ インタビュー3:目から鱗!逆転の発想。グループワークから得た気づき・志とは?
京セラ株式会社 エンジニアリング部 課長 中野 公達様に、
「生産革新プロフェッショナルコース」受講の背景やご活用についてお伺いしました。
(※以降敬称略、所属・役職は2023年1月12日時点)
目から鱗!逆転の発想。グループワークから得た気づき・志とは?
国部:
受講いただいての率直な感想はいかがですか?
中野:
非常に新しいやり方だなと新鮮に感じました。
一般的な研修は、座学やワークサンプリングなどの実技研修が主流です。
しかし今回のコースでは、講義は最小限に抑えて「参加者相互の意見を交換しあう」ことに重点を置いていました。このプログラム構成はとても新鮮でした。
国部:
グループワークで印象に残った方、エピソードなどがあったら是非教えてください。
中野:
「IEインストラクター演習」のグループリーダーになっていただいた方は、非常に話しやすく、リーダーとしてチームを牽引してくださいました。
メンバーとの会話を通じて、自分が固執していた考えを見直すこともできました。
国部:
具体的にはどのような点を見直せたのですか?
中野:
今までは、生産性改善のため設備の稼働率を上げる側面に注力していました。
ロットサイズを大きくし、一日の切り替え回数を減らす方策を取っていました。反面、工程の同期化が図れないデメリットもあり、モノ待ちが発生し、装置を止めざるを得ない課題もありました。
それをメンバーに相談した際「ロットサイズを小さくした方が生産性は上がるよ」とアドバイスいただいたのです。
モノが同期化しやすくなり、モノ待ちロスが少なくなる。切り替え回数は実はそんなに生産性を下げる要因ではないと気づかされました。
国部:
大きな発想の転換ですね。
研修を通しての大きな気付きを実践に向けてご準備中との事、嬉しい限りです。
他にも受講者同士で得た気づきなどありましたら是非教えてください。
中野:
意外に皆さんが同じ悩みを持っているとわかり、一種の安心感と同時に新たな改善への意欲も生まれました。
国部:
他社との共通点を知ったことが大きな励みとなったのですね。
中野:
「人」が欠かせないものづくりにおいて、標準時間に対するバラツキや品質確保の課題は各社共通であり、だからこそ必ず解決しなければならないと再認識し、志を新たにできました。
国部:
今後の改革に向けた意欲向上にもなりますね。
中野:
おっしゃる通りです。
生産技術の領域に身を置く者として、人のスキルに依存したものづくりは避けたいという思いがあります。
それは、人が減った際に生産が立ち行かなくなる懸念があるからです。
属人化された技術を定量的に示し、誰でも・どこでもできるように、その実現に向け尽力したいと考えています。
その観点から、新たな知識を吸収し、考え方を広げられたこの研修は非常に貴重な経験となりました。
国部:
経験された内容を、社内で共有する予定はありますか?
中野:
はい。月に一度開催される部門の報告会議でメンバー全員に共有する予定です。
国部:
会社全体のIEを担うお立場として、横展開も図っていかれるのでしょうね。
中野:
他工場とも、技術交流会を通じて各拠点のメンバーが集い、工程を見学し、情報共有を図っています。
また、年に一度、社内の研修で私の部隊が講義する場があります。
そこでも今回学んだ内容は活かせると思います。
加えて、プレゼンテーションの面でも当コースでの経験は有用だと感じています。
自分で作成した資料ではなく、標準化された、あるいは他者が作成した資料を説明する研修内容は非常に勉強になりました。
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