日廣薬品 インタビューその2:情熱をもった「やりたい」が実現できる会社を目指して

日廣薬品株式会社 代表取締役 金尾 元信様に、
「生産革新プロフェッショナルコース」の受講背景や、受講後の感想についてお伺いしました

※2021年12月開講受講、IE士
※所属・役職は2022年3月14日当時のもの、以下敬称略

情熱をもった「やりたい」が実現できる会社を目指して

吉田
金尾さんご自身についてものご経歴をお伺いできますか?

金尾
私は大学卒業後に銀行に4年間勤めた後、弊社に移り、4年間専務として従事したのち、父が65歳、私が31歳の時に社長に就任しました。現在は、社長となって7年目です。
就任当初はできる限り部長や工場長、研究所長に対して、口を出すことはしませんでした。それは、彼らが自分の裁量で仕事をすることを大事にしていたからです。
ただコロナなど、多数の危機に直面する昨今の状況下では、今までの延長線上ではないようなことにもチャレンジする必要がありました。そこには、スピード感をもって進めなければいけないことも多くあり、トップダウンで本社組織のあり方、自身の管掌範囲を変えていっています。

吉田
スピード感をもって行う必要があり、トップダウンでやっているということを伺いましたが、どのように変えられたのでしょうか?

金尾
まずは管理部門、営業・企画マーケティング部門の部長職をなくし、社長直轄に変え、意思決定を最短にしました。今までは部長職がおりましたが空席とし、実質的に私が兼ねることと致しました。なので、会社の什器備品が壊れれば管理部門長として判断し、取引先で何かあれば営業部門長として動き、マーケティング活動の最終責任や、人事関連の給与・人事・福利厚生も含めて担っています。
一方で、工場と研究所については工場長と研究所長がおりますので、できるだけ彼らに力を発揮してもらっています。

吉田
社長としての意思決定に加えて、各部門のマネジメントや一部実務的な役割を兼務さたりしているのかと推測すると、かなり負担も大きいと思うのですが、その点はいかがでしょうか?

金尾
私自身というより、営業課長と企画課長を兼任している者にはかなりの負担をかけてしまっていると思います。もっと私が実務の部分を担えれば良いのですが…。そこは課題と捉えています。

吉田
それでも意思決定の速さは、いまの経営環境下では代えがたいもの、ということですね。

金尾
そう思います。今までは、ミドル層から何かをやりたいと思っても、色々と企画やら、調査やら、準備やら、手直しやら…と時間がかかっていたことも、私がその部門トップになることで、ミドル層からの「やりたい」と言ったことに対して私が「いいんじゃない」と言えば3秒で決まります。
年齢に関わらず、会社の理念を理解し、情熱をもってやりたいことが明確にある社員の思いに対して、私がどれだけ早く経営資源を手配し、実行できる環境を作ってあげられるか。新しい取り組みに対する社内の拒否反応からどう守ってあげられるか。
ここが非常に重要だと思いますし、意識している部分です。

吉田
やっぱり社長から良いよと言われるとモチベーションもあがりますし、前を見て進めると思います。
「企業は人なり」という言葉もありますが、進んで何かにチャレンジしたい、という熱意を持つ人の成長を後押しするための経営と、人材育成をされている御社の風土がよくわかりました。

金尾
役員・社員が、互いを尊厳ある個人として尊重し、自由なコミュニケーションをとれる環境が何よりも大事だと思います。
課長と私は話しやすい距離にあるため、何かあっても意思決定と軌道修正がしやすい状況にあるとは思いますが、私が37歳、課長も同じ30代ということもあり組織としてはかなり若い体制です。
そこには「ここはちょっと危ないかもしれませんよ」と知見とアドバイスを言ってくれるベテラン社員の存在と関係性は非常に大切です。
幸い当社には私の耳の痛いことでも、直言をしてくれるベテラン社員がおり、いつも若い二人では気づかない視点を与えてくれます。

吉田
一方で、工場長と研究所長との関わり方はいかがですか?

金尾
日常的には完全に彼らに任せています。研究所とは月1でミーティングを行い、案件の進捗を管理していますが、基本的には研究所長と研究所課長にお任せです。
工場の日々の生産活動についても工場長と私と同じ年齢の若手課長に任せています。しかし裏を返せば、私がそれだけ工場や研究所の活動に明るくないとも言えます。その知識不足の課題克服が、今回この講座を受けた背景でもあります。

〜2/6 page〜

ページトップへ戻る