角田講師インタビュー②その2 | 講師をする際に重要視する点とは?
講師をする際に重要視する点とは?
平井
「生産革新プロフェッショナルコース」の講師を10年程お務めていただいていると伺いました。
講師をする上で、大切にしていることを教えてください。
角田
生産革新プロフェッショナルと呼んでいる以上、IEができるとか、生産管理ができるなど、いくつかの機能を実現できるだけでは不十分です。
このコースの趣旨は生産領域を取り巻く広い視野を持つことでもあります。
だから、1つのことを話していてもそれに関連することを必ず、説明するようにし、より多面的な見方を習得できるカリキュラムにしてきたつもりです。
平井
実際に受講した方々の感想はいかがでしょうか。
角田
以前に参加いただいた方は、もともと生産技術とか生産管理とか製造部のマネージャーとか1つの部署に長くいる人が多かったのです。
でも、このコースに参加すると、調達や開発が何をしているのかが分かり、自分たちがしてきた仕事との関係もはっきりします。
受講者の方々にとって新しい知識を得るためには、非常に有効だったのではないでしょうか。
平井
グループワークが多いことも特徴ですよね。
最終日の報告会に向けた資料作成が大変な一方、刺激にもなって良かったという声も聞きました。
角田
グループワークはかなり頑張ってもらわないとできません。
現実から全く離れた問題ではなく、基本的に身近な題材を取り上げていますから、それを仕上げることで仕事と全く違うことをやり遂げたという印象にはならないはずです。
このケースは自分たちの会社や現場で生かせると感じてくれていると思います。
それがグループワークをやってよかったという感想を生んでいるのではないでしょうか。
IEの周辺領域を知るために、ペーパーテストのようなことをしてもあまり意味がありません。だから、実践的でかつ自分たちの身近に捉えやすいような内容にしてきました。
例えば、実際に工場へ出かけ、そこから演習問題を作るなどかなり現実味のある中身だと思います。
これから受講する方へのメッセージは?
平井
特に印象に残っていることはありますか。
角田
この研修は講師が一方的に話をするのではなく、受講生とのやり取りを非常に重要視しています。受け身の受講生にはもしかするととても辛い内容かもしれません。
でも、非常に前向きな方に参加してもらっているということが毎年、記憶に残っています。
受講生とやり取りをする中で私が現状の課題を再認識することもあるのです。
受講生間の付き合いが会社同士の情報交流に進んでいるケースもあり、それを目にすると研修で教えたこと以上にいろいろなことを感じ取ってくれているようにも見えます。
平井
先日、2015年度の受講者の方にお話を伺ったところ、受講者間で互いの工場見学をするなど、研修が終わったあとも交流が続いているようです。
角田
このコースに参加すると、能率協会が主催しているものづくり大会に参加できます。
その際、第1次OB会みたいなものがあり、同窓会のような感じでみんなが集まっています。そこで連絡を取り合うことにより、交流が続いていきます。
非常にいい関係を受講生間で築けるのも、この研修の大きなメリットでしょう。
平井
受講を検討している方にメッセージやアドバイスはありますか。
角田
迷っている理由にもよりますが、これから先ものづくりに関わり、現場を良くして工場をより付加価値の高い存在にしたいと考えているのなら、ぜひ参加して広い知識を身に着けてほしいと考えています。
グループワークを通じて他の企業の方と交流を深めることも、自分の価値を高めることに結びつくはずです。
もしかすると、IEを知らないことで悩んでいる人もいるかもしれません。
勉強の仕方はいろいろあります。書籍を買って読むのも1つのやり方です。
それぞれの会社の中にIEをやっている方もいるでしょうから、その方とコミュニケーションを取って理解を深めてから参加するのもいいと思います。
できていないから参加しないのではなく、足りないところをクリアして参加しようと考えてもらえたら嬉しいです。
平井
ありがとうございました。