日廣薬品 インタビューその6:”何となく”からの脱却。早速実践した「マスタープランの策定」とは?

日廣薬品株式会社 代表取締役 金尾 元信様に、
「生産革新プロフェッショナルコース」の受講背景や、受講後の感想についてお伺いしました

※2021年12月開講受講、IE士
※所属・役職は2022年3月14日当時のもの、以下敬称略

”何となく”からの脱却。早速実践した「マスタープランの策定」とは?

吉田
研修内容の中で特に印象に残っている部分はどういう所でしたか?

金尾
第1単位の「マスタープランの策定」が印象に残っています。
現場ができることの単純な積み上げではなく、経営として必達しなければならない目標に対して、現場実態との乖離をどう埋めていくか、ブレイクスルーしていくか…、ただブレイクスルーするためには技術的なブレイクスルーもありますし、経営判断としてのブレイクスルーもあります。
例えば、投資して良いのかどうかは、現場の方からすればそこは思考のネックというある種の制約条件になっていて、判断ができませんが、私ならすぐに判断ができ、現場にとっての制約条件を取り払うことができます。
あのマスタープランの考え方は、自身を振り返った時に痛感しましたし、非常にタメになりました。
今まで現場に対して明確にマスタープランを説明できていなかった自分が非常に恥ずかしい、とすら感じました。それでは、現場がきちんとした目標など立てられるはずもありません。
今までは、やってきた”つもり”、 PDCAもやってきた”つもり”でした。
それが今回の研修で「なんとなくやってきた”つもり”でいたから、やはりうまくいかなかったのだ」と腹落ちしましたね。きちんとマスタープランを立て、きちんとカネ目からモノ目にして、面積目標と高さ目標…など、研修で学んだことを反映させながらきちんと決める。
今回、目標設定としてトップダウンで高い目標を掲げました。現場からはかなり難しいと言われました。
ただ、やはり必要目標だから、設定しました。設定する際には「成行はどう見ているか?」ということになりますが、「人口が減少し怪我をする人の数が減れば、絆創膏の需要は減る」、…成行は絶対に下がります。
今後、減るという成行なのだから、それに対してきちんと給与を出し続けるためにはこれだけ利益をうみださないといけないし、売上を上げていかなければなりません。単純に積み上げではなく、必要性からの目標です。
こうしたことを現場から「できません」と言われたら、今までは「そうだよね、できないよね」「原価を2%低減するなんてできないよね」と言っていたのです。
今では、「非常に難しいのはわかる。しかしこれは必要なことだから目標設定しています」、「例えばその目標を達成するならば、サプライチェーン・エンジニアリングチェーンのこの部分ではこういう考えがあるけど、うちではどうなの?」といった建設的なコミュニケーションができます。

吉田
「会社として雇用を守っていくために必ず達成しなければならない目標である」その説明の仕方や、いわゆる「自社と一般的な基準を比較した際の盲点や、優劣などから解決策の糸口が見えてくる」といったことは、先ほどおっしゃられたコミュニケーションの時間コストの削減につながりますし、同時にコミュニケーションの質も上がっている印象です。

金尾
マスタープランの策定は、第一単位が終わった頃からこの研修と同時並行で進めていました。
もし受講していなかったら従来通りの計画を作っていました。もちろん、教えていただいたマスタープランをそのまま利用したのではなく、弊社にあうように作りましたが、今までとは違う会社目標、工場や部門目標を設定できたと思います。

吉田
学んだ後、すぐに実践されたのですね。

金尾
目標設定も大切ですが、最も重要なのはPDCA管理だと思います。やりきれるかどうかです。これは弊社が非常に弱い部分だと認識しています。
経営方針の説明でも「やりきるんだ」ということを強調しました。また、やりきるのであれば私自身も何回も現場まで踏み込み「やりきれていますか?」と、言い続けなければいけないと覚悟を決めています。
やり続けなければいけない覚悟を持てたのは、この研修からの学びがかなり大きいと思います。

吉田
当研修が、御社のさらなる躍進の一助となれば、こんなに光栄なことはありません。

金尾
この研修を受け、新しい学びを得ることができ、人脈もできて非常に良かったと感じています。
もし今回の研修で学んだ各分野をそれぞれ習得しようとしたら、どのくらいの時間がかかるか想像もできません。とても効率的、効果的でした。
また、各単元においても、その道を極めようと思ったらさらに追求できます。例えば構内物流の内容では、私自身が構内物流の概念すら全く知りませんでしたが、この研修で教えていただいたので、今後「これは深堀りしたい」と思った時にはさらに専門的に学ぶことができる、知らなかったら、深く学ぼうという考えにすら至らない。この研修では、専門的に学ぶきっかけにもなりますし、自身の視座を高め、視野を広げることに繋がると思います。それこそ経営者として一つのレベルアップができる、と言えます。

吉田
これからどのような経営者を目指したいとお考えですか?

金尾
将来、後継者がいないと悩む製造業の会社経営を担い、未来に良い会社を残していくことが私の夢です。
大廃業時代にある今、未来に残すべき良い製品を作っているにも関わらず後継者のいない会社が多くあります。そうした会社の経営のバトンを受け継ぎ運営していきたいと思っています。
そのためには自社だけで通用するものではなく、今回のような網羅的な学びで、どのような会社・工場であっても一定の品質で運営できるだけの知識を得たうえで、自社を経営し、経験を積んでいくことで、他社に対してもその知見を活かして展開ができればと思います

吉田
最後に、この研修はどのような方に受講いただくと良いとお考えでしょうか。

金尾
絶対、企業トップが受けたほうが良いと思いました。先に申しあげた社内におけるコミュニケーションの課題を考えると、乗り越えられない負荷ではないと思います。
知りたいという意志があり時間を配分すれば、現場とこれだけ話せるようになるのですからトップは絶対受講したほうが良いと思います。
“経営と現場の距離が遠いと感じておられるトップ層”のニーズにも十分こたえることができる研修だと思います。

吉田
本日はお話をありがとうございました。

金尾
こちらこそ、ありがとうございました。

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